「私は花になりたい」



「私は花になりたい」

今日は小雨がポツリとだが、辺りを水色でうるおしている。
僕は傘も差さずに散歩へ出た。初夏なので気持ちが良い。
ふと、後方からけたたましいサイレン音がなってこちらへ向かってくる。救急車だった。
厄の悪い時に外へ出たものだ。そう思った。
五分くらい歩くと海辺を沿うようにして路肩が続いている。
今日は海もさえない表情をしていた。海鳥の声すら聞こえては来なかった。
僕はなんだか嫌気が差し、途端に家路へと着いた。
こんな時に花壇でも眺めていれば良かったものを。自身の心の片隅がそうぼやく。
花は良い。雨の日なんか生命のエネルギーを感じる事さえある。
それを思い出すと、こんなひにくれなどどこ吹く風。
私は花のようでありたい。

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