@原付バイクと風景画 10


@原付バイクと風景画 10

夜は二人ともによく寝れそう。二十一時には消灯。次の日の朝になった。
「いってきます!」
「本当に一人で大丈夫?」
「うん!」
 遥は初登校の次の日には一人で登校していた。いや、そうではなかった。この団地には同級生が多かったし、小学生も多かった。ふたを開けてみれば、それら学生と一緒に登校するだけの話なのである。咲子は一日にしてそこまで仲良くなれた遥を大したものだと思ったし、頼もしいわね。とも感じた。遥は絵画をもっていくことも忘れてはいなかった。彼女の絵は咲子によって、いいやつを何枚か保管されていたのだが、その中でも宮古島の岬を描いた絵を咲子は遥に手渡した。学校に着いた。
 八時を過ぎて朝の会が始まると、あれだけ騒がしかった教室内が先生だけの声だけ響き渡る。それについて生徒らはなにも意識してはいなかった。ただ先生に注目する。それだけのはなしだ。出席を取り終えて朝の会が終わった。すこしばかり一時間目授業の支度時間があいだにあった。遥はそのタイミングで里美先生に絵を手渡した。先生はその時まだ丸められている画用紙を開くことはなかったが、大方予想はできていた。遥ちゃんはピカソのような絵を描く。それは先生の間では有名。だが、しかし、宮古島で彼女の絵を見たことのある人間は一人もいなかったものだから、想像ばかりが独り歩きして先生たちの期待が大きく膨らんでいた。この日の放課後、遥は里美先生に呼び止められた。先生は昼休み時間に遥の絵を確認していた。それは相当びっくりした様子。遥の絵の才能は本物なのだ。
「遥ちゃん、あなたの絵、凄いわね!」
 里美先生はそう言って、遥に笑顔で目を丸くして見せた。
「あなたには太陽の日差しがに見えるのね? 素晴らしいわ!」
 絵は、遥の描いた岬の上に書かれた太陽から、四角と三角の入り乱れた光線が空中に散りばめられている構図。岬自体もイラストのようなタッチで、それはそれで、感性がとても素晴らしかった。里美はこんなすばらしい絵を描く小学二年生を見たことが無かったものだから、とにかくこの天才少女に対して驚愕した。実はいうと、里美先生も絵に関してはそれ相当の技術を持っていて、なんと美大出身の先生だったものだから、遥ちゃんには絵の講師が必要だと、そして、それは自分がすればいい。この子の才能を見た時、里美先生はそう思っていた。アート調の絵も良いけれど、この子には油絵をおしえておく必要がある。何事にも基本が大事だから。里美はそう思い、なるべく日曜日は遥の隣で油絵を描くことにした。まずは油絵に興味を持ってもらう必要があったからだ。
「せんせい、先生って絵が上手ですね!」
「あら? 上手って言葉覚えたのね? うふふ
 遥は里美先生の絵をまじまじと見つめた。
「そうだ――!」
 言って遥は水彩画に水を溶いていない絵の具を色濃く塗りつけた。油絵の真似事。
「せんせい、これでいいんですか?」
「うふふ そうね、それでもいいけれど、でもね、遥ちゃん。そもそも絵の具の種類が違うのよ。私が使っているのは油性で、あなたのは水性なの」
「油性? 水性?」
「まあいいわ。今度、詳しく基礎から教えてあげるわね。今日はそれ(その方法)で書い

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