@原付バイクと風景画 7


@原付バイクと風景画 7

  咲子は近所さんドアをノックし出てきたところであいさつした。
「あら? となりのひと? 空いている部屋の人ですか?」
「はい、そうです。昨日越してきました」
「あら、そう」
「これからご迷惑などおかけすることもあるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。ほら、遥、ごあいさつしなさい」
 そう言って咲子は遥にお辞儀をさせた。
「よろしくおねがいします!」
「あら、元気な子ね。よろしくね! 名前はなんて言うの?」
「遥です」
 咲子は咄嗟に発した。
「はるか。いい名前ね! はるかちゃん、なんさいになったのかな?」
さいです!」
才? まあ! 四月に小学校年生か。もう顔立ちが整っててかわいい子ねぇ!」
「私の自慢の子なんです」
「そうでしょうねぇ! こんなかわいい子、宮古島にはいないわよ!」
「お世辞でもうれしいです。ありがとうございます」
 咲子と遥はその場を後にして、ほかのご近所さんにも同じようなあいさつを済ませた。好印象を持たれて、咲子は肩をなでおろした。
 そういえば、病院へは遠いのかしら? そこら辺を今度ご近所さんに聞かなければなるまいて。しかしながら、いきなり病気のことを打ち明けるのもどうかな? などと考えたりもしたが、なんだかこの島では隠し事などできないだろうと結論付け、さっそく今度、病院の場所を聞くことに決めた。薬はまだあと三週間分あった。
 春休み中は、ほとんどが近場の砂浜で過ごした。
 今度釣りでもしてみたいわね。けれども、釣りなんてしたことがないものだから、どうすればいいのかすら分からなかった。果たして何が釣れるのだろう? 咲子は一人、考えたりもした。
 テレビ、冷蔵庫などは最初から用意されており、役所の心使いに感謝した。ありがたい話だわ。日本人で本当に良かった。咲子は毎日が感謝。まあ、冷蔵庫と言っても、そんなに買い置きできるほど金銭的に余裕があるわけではなかったが、この島は定期便で物資が運ばれてくるため、なるべくは買い置きしておいた方がいいわよ。とは、ご近所さんから聞いていた。なにせ台風の時なんかは物資が届かないもの。咲子はなるほど。と思った。台風のことなどは考えもしなかったために、この話が最初で聞けたのはついていると思った。
 非常に群青色をした夜空にお月様は見えなくて、只々、星屑がまんべんなく行き届いた夜道をすこしだけ肌寒い思いをしながら散歩した。道端のサトウキビ畑からは蛇が出てきそうな気がすこしだけしたが、だけれども、なに一つでわすことなどなかった。宮古島にハブはいないのだ。
 今夜のこの思い出は明日になれば遥の絵の中に再現されるだろう。別にかまわない。咲子は思った。
 嗚呼、とうとう逃げ出してしまった。亭主からの逃走劇なのだと言う事を思い出したとき、何気なく右の掌が小刻みに震えた。それが恐怖からなのか、期待からなのか、それは
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